「おい、ルルーシュ。ここに何かいる。」
「ん?」
C.C.が指さした箇所を見る。
「こいつが原因だったのか。」
配電盤にネズミが入り込んでショートしてしまったようだ。
その生き物はもう動かない。
「寒い日になると、こいつらは暖かい場所を求め入り込むんだ。
それでショートしたんだろう。かわいそうだが。」
C.C.はじっと生き物をみつめている。
「このケースだと部品交換になるだろうな。業者を呼ばないと。」
ルルーシュは携帯を取り出し、生徒会部屋に電話した。
(「はい。アッシュフォード学園、生徒会室です。」)
「カレンか?会長は戻ってきてるか?」
(「え?何かあったの?」)
「電気室の原因がわかったが簡単に直りそうにないんだ。
会長に確認をとって、業者の手配を頼みたい。
あと、火傷したやつがいるから保健室に寄って帰るよ」
(「私も向かった方がいいなら、いくけど・・・。」)
「ありがとう。大丈夫だ。それより業者の手配を頼む。」
(「わかった。そっちはお願い。業者は会長に確認して手配するわ。」)
「ああ、頼むよ。じゃあ後で。」
(「じゃあ。」)
「さて、生徒会室に戻るぞ。」
C.C.を見やるとまだ先ほどのネズミをしゃがみこんで見ていた。
「こいつはもう死んでる。いつまでも見てたって生き返りはしない。」
「わかってるさ。でも・・・」
どことなく悲しそうな表情だ。
「生きているから、死を迎える。どうしようもない摂理だ。
お前だってその摂理の中で今生きているんだ。
限りある時間。そうだろう?」
ルルーシュは納得させるように言った。
「そうだな。わかっているつもりだったが、
生き物の死を見るのはいい気分ではないな。」
どことなく悲しみを帯びた声だった。
「俺も同じだ。たぶん誰もが思ってる。」
C.C.はしばらく考えた様子だったが、くるりとこちらを向いた。
「戻ろう」
「ああ、保健室に寄ってからな。手痛いんだろ?」
一方、生徒会室では・・・
「あ、会長!今こっちから連絡しようと思っていたところだったんです。」
生徒会室に電話してきたのはミレイだった。
「さっきルルーシュから電話があって・・・」
シャーリーが言葉を続ける。
「簡単に治せそうにないから業者を手配してほしいって頼まれたんです。」
「えっ!?明日でいいんですか?」
「はっ!?会長またそんな勝手に・・・」
「う・・・、はい。わかりました。じゃ、また後で。」
電話はそこで終わった。
「業者は会長が明日手配するって。よくわからないけどクラブハウスに集合みたい。」
シャーリーが先の内容を2人に伝える。
「また、ミレイさんがおもしろいこと考えたのかしら。」
「おもしろいを超えてないといいけど。」
カレンが心配そうに言った。
「お前、よく我慢していたな」
保健室にルルーシュの声が響く。
C.C.がパイプに触れた火傷は思ったより深刻だった。
「ああ、いつもはもう痛くないのに。まだ痛いよ。」
ルルーシュはC.C.の手首を持ち、蛇口に近づける。
冷たい水が手のひらに伝い流れる。
「しばらくそうしておけ。」
流れる水の音が響く。
「まだか?もういいだろ?」
「まだだ。」
「なぁ、ルルーシュ。まだか?」
「まだだ。」
このやりとりが数回続いた。
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久しぶりの更新です。
次で最後かな・・・
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