C.C.と出会って偽りの記憶の枷から出ることができた。
何不自由なく暮してきた日々。ロロ、偽りの弟。
真実の記憶。妹ナナリーや母マリアンヌのこと。
ゼロの記憶、ギアスのこと。
共犯者のC.C.・・・。
ベッドの上、天井を見ながらそんなことをぼんやり考えていた。

そしてようやく理解できたことがある。
自室の片隅にいるチーズのぬいぐるみ・・・
過去の家計簿に、毎日毎日ピザが記入されていた理由。
おかしい、とは思っていたがあまり気にかけていなかったのだ。
ピザはロロが勝手に注文していたと思っていたし、
この部屋に似つかないぬいぐるみだって、誰かから置いていったものだと
勝手に思い込んでいたのだ。
ふ、少し笑えてくる。あいつがここにいた痕跡がこんなに身近にあったのに。
すっかり忘れてしまっていたなんて。

1年前、あいつが部屋にいたことを思い出す。
ずうずうしくて、女の慎みもなく、ピザしか食べない女。
考えるだけで頭が痛くなる。
まぁ、俺が軍の監視下にあるおかげで居候生活は不可能。
まして軍のねらいはゼロでなく、C.C.。
こんな場所にひょっこり現れてもらってはお互い不利だ。

「相変わらず、貴族趣味の部屋だな。」
扉が開く音と共に聞きなれた声が響いた。
なぜ、ここに・・・
驚きで一瞬固まってしまった思考回路を働かせる。
「どうした?ふふふ。
私がいた時の生活でも思い出していたか?エロガキめ。」
「だまれ。この状況、わかっているのか?」
「問題ない。監視カメラに写らないように来た。それよりも・・・」
そう言ったC.C.の視線の先には、黄色いぬいぐるみが。
「ああ、あのぬいぐるみか?」ルルーシュもぬいぐるみに視線を移す。
「お前のことだから、捨ててしまったと思っていたよ。
またポイントを集めるのは大変だしな。」
コツコツとぬいぐるみに近づくC.C.。
「持っていくのか?」後ろからルルーシュの声。
「ん?ああ、そのつもりだが。邪魔だろう?」
「邪魔だったら、とっくに捨てていた・・・。だから・・・」
「だから・・・?」C.C.は意地悪そうにこちらを見ている。
言えるわけがない。お前がいた痕跡を残しておきたい、なんて。
しばらく間が空いたあと、「ま、いいだろう。この貸しは高いぞ。」
そう言い、C.C.は扉に近づいていった。
「行くのか?」
「ああ、もうすぐ見張りがくるしな。またここへ戻ってくるよ。ルルーシュ。」
扉が開き、また閉まった。
部屋にいるのは自分と黄色いぬいぐるみ。

まったく勝手に戻ってきたり、出ていったり・・・
一方的な女だ。
そうだろ?とぬいぐるみに視線をおくる。
ぬいぐるみは微笑んだままで返事は返ってこなかった。


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うおー!久しぶりのSSです。
待ってた人もそうでない人も、楽しんで頂けたらうれしいです。

すごい余談ですが、オレンジレンジのでているギアスのCM。
#1がギアスをかけられOPをつくることに
#2は忘れました・・・・
#3はゼロから駄目だしをくらう
#4は確認できず
#5はOPができて打ち上げ中、夢にゼロが現れEDも作ることに。
これいつまで続くんでしょう?
#4が確認できなかったので、どなたか知っている方がいたら教えてください。