白い雪


+紅梅の満開の下+
Music by the wind forest

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季節は冬。

冷たい風が頬をすべる。

風が通りすぎると同時にC.C.の長い髪も揺れる。

空を見上げれば、灰色の重たい雲。

そう、

あの白い雪が降ってきそうなほど。

白い雪。

ほら、やっぱり降ってきた。

自分と同じ、何色にも染まらぬ存在。

届きそうで届かない願い。

私はいつまでこうしているんだろう?
いつからこうしてきたんだろう?

白い雪を見てると、なぜかそんなことを思ってしまう。

「おい、C.C.。部屋に戻るぞ。」

ふと、後ろからかけられた声。

私は同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。

ルルーシュとなら。

ルルーシュだからこそ。

これが最後の契約になることを。

「おい?聞いているのか、C.C.?」

あいつ、いつもと様子が違う。
一体どうしたんだ・・・?


ああ、これのせいか・・・


ルルーシュは舞い散る雪を手のひらにのせた。

すぅっと溶ける儚い存在。

「お前は言ったな?白い雪は嫌いじゃないと」

C.C.が振き言い放つ。

まっすぐな瞳。

しかし、どこか悲しそうで寂しそうだった。


「そうだ。白は何ものにも染まってないからな。綺麗なんだ。」

「そうか」

C.C.がつぶやく。
表情は見えない。

「俺が、お前の願いを叶えると契約しただろ?」

そう、

契約がすべての始まり。

ルルーシュ、

お前は、私と契約しギアスによって大切なものを失うだろう。
そして孤独になるだろう。

それでもお前は叶えてくれるのか?

この魔女の、私の願いを。


「なぜ動こうとしない?そんなに雪が好きか?」

まったく動こうとしないC.C.に語りかけるが反応がない。

「ふん、お前はC.C.なんだろ?俺の共犯者。」

そう、私はC.C.

この世界とは異なる存在。


そして、何よりルルーシュの共犯者。

私が立ち止まるわけにはいかない。

それは許されないことだ。


「ああ、そうだったな。すまない、帰ろう。」


いつのまにか、道は白い雪で覆われていた。

その上には二人の足あと。

まるでずっと在り続けるような、契約以上の何かで二人は結ばれているかのように。

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C.C.は強がっているようにみえます。
契約以上の感情を持たないように。
彼女の願いは何でしょうね・・・