咲世子の日記帖

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XXXX年 XX月 XX日 天候 晴れ

 

私は大きな誤解をしていたのかもしれない。

ルルーシュ様が部屋の掃除をするなと言い出したのは
すいぶん前のことになる。
私はいいつけを守り、ルルーシュ様の部屋に入ることはしなかった。
いや、何度か物音がしたことがあり、泥棒かと思い部屋に入ったことがあったが・・・。

そのときに見たことは、今でも忘れられない。
部屋はチーズの匂いが立ち込めており、ベッドのシーツはぐしゃぐしゃ。
白い拘束衣にロングブーツ、時には女子の制服やスクール水着など
部屋に散らかっていたこともあった。
ルルーシュ様は、まさに今思春期の多感な時期なのである。
多少、変身願望マニアックな領域へ足を踏み込んでいるだけである、と
私は自分に言い聞かせていた。
今まで、弱音など吐いたことのないルルーシュ様である。
人には言えない趣味が少々あっても・・・
もちろん、生徒会の方々やスザクさん、肉親であるナナリー様には言っていない。
きっと大人へ近づくにつれて、変身願望は薄れていくはずだと、思っていた。

しかし、今日私が見てしまったものは私が今まで考えていたよりも
遥かに衝撃的なものだったのである。

ルルーシュ様は留守で、私はナナリー様に買い物へ行ってくるといって留守をお願いした。
スーパーの前になり、ポイントカードを持ってくるのを忘れていることに気付き
悩んだ末戻ることにした。
迂闊、もうすぐで500ポイントなのに。

クラブハウスにはナナリー様しかいないはずなのに、なぜか話声が聞こえる。
私はナナリー様のご友人でも遊びにきているものかと思っていたが、
実際はルルーシュ様のご友人であると、見てすぐわかった。
彼女は、ルルーシュ様の部屋にあったものと同じ白い拘束衣だったのだから。
私は息を殺し、その光景を見ていた。
ルルーシュ様はついに、独自の価値観を持っていらっしゃる
ご友人を招き入れたのだろう。
ナナリー様の目が不自由だったのが、不幸中の幸いなのかもしれない。

私はルルーシュ様を侮蔑するつもりはない。
しかし、独自の価値観をもつ方々が、クラブハウスに集われてしまっては
私はルルーシュ様の秘められた事実を隠し通すことはできないだろう。
ということは、私が秘められた事実と考えていても
ルルーシュ様にとってはあたり前のことなのだろうか?
今、ナナリー様と拘束衣の女性は楽しそうにお話しておられる。
独自の価値観であっても、何の問題もないということなのだろうか?

私はここに、新たな誓いを立てる。
ルルーシュ様が、自ら秘められた過去を話されたとき
または、誰かに目撃されってしまった場合には、
私たちは分かり合える存在であり、何の問題もない、と告げよう。
そして、その日がくるまでルルーシュ様をあたたかく見守り続けることを。

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ふふふ。咲世子さんの日記でした。
今度はナナリーやシャーリーの日記も書いてみたいですね。