ピピピッ!体温計を差し出す。
「39.5度・・・。もはや人間の体温ではないな。」
「だから私は平気だ。」
彼女は一点張りだ。
正直、困った。この状況に。
本人は自覚症状はない。こんな高熱なのに?
しかも、ほっとけば治ると言い出す始末。何を根拠に?
「とにかく、今日は寝ていろ。ベッドから動くな。」
ぴしゃりと言い放つ。
ルルーシュは部屋から出て行った。
「世話好きなやつめ。」
部屋の中から少女のつぶやきが響いた。

「ほら、食え。」
ルルーシュがキッチンでおかゆを作ってきたのだ。
C.C.の前に差し出す。
「どろどろしてる。ピザがいい。ピザを買ってこい。」
「駄目だ。あんな消化の悪いものを。風邪の時くらい消化にいいものを食べろ。
これがイヤなら何も食うな。わかったか?」
ムッとするC.C.。
「わかった。お前がそこまで言うなら、私は食べない。ピザがいいんだ!」
こうなったら、意地でも食べないだろう。
「なら勝手にすればいいさ。」

それから夜になった。
本人はほっとけば治ると言っていたのに、ますますひどくなっているようだ。
赤かった顔も、今は青白くみえる。
何も食べようとしないし。水分も摂取しようとしない。
C.C.はベッドに横になったままだ。一向に眠ろうとしない。
食事をしないから、薬も飲ませられないし。
息も荒い。かなり、つらそうだ。
どうしたらいい。すると、
「ルルーシュ、そんなに心配するな。」
本人は心配ないと・・・。
しかし、信用できない。
「朝になっても熱が下がらなかった場合、騎士団所属の医者にいく。」
彼女自身も身体の異常に気づいたのか、すんなり
「わかった。」と返事をした。
それから、電気を消し眠りについた。

目が覚めたのは、まだ朝ではなかった。
隣の少女の声で起きてしまったのだ。
また魘されている。
「く・・・、やめろ・・・・わたしはッ・・・・・」
ルルーシュは彼女の耳元で、そっと呟く。
彼女の真の名を。
「--------。だいじょうぶだ。」
そっと、自分の胸に抱き寄せる。
C.C.の目から、うっすら涙がこぼれた。
だが、その顔に不安はなかった。
ゆっくり長い髪をなでてやる。まるで小さい子をあやすように。
「心配するな。願いはかなえてやるから。」
ルルーシュはいつの間にか眠ってしまった。

朝になった。
横でやすらかな寝息をたてる少女。
頬に手を触れてみると、熱は下がったようだ。
ふう。これで問題は解決したな。
「ん・・・・。」
C.C.が目を覚ました。
「おはよう。ルルーシュ。」

いつもの朝が始まる。

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ハイ!終わりました。
なんだかんだで、二人はお互いを必要としてると思うんですよね。
あー、早く2期が見たいです。
最後まで見てくださって、ありがとうございます。