「おい、早く左手を差し出せ。」
ルルーシュが右手をC.C.に差し出しながら怒りっぽく言う。
黒い貴族紳士服に身を包み、左手には黒い杖。
黒づくめなのだが、高貴さがあふれている。
「お前がどうしてもと言うなら、差し出してやるさ。」
黒いドレス姿のC.C.が皮肉っぽく言った。手は差し出さない。
右手には黒いユリの花。黒ユリは不吉と呼ばれる花。
私にはぴったりの花である。
そんなやりとりの二人を見て呆れたのか、
「ほらほら、喧嘩しないでください。ルルーシュ、もっと優しくしなきゃダメですよ?」
白いドレスにピンクのカールした長い髪。
C.C.の隣にいるユーフェミアが笑いながら言った。
ユーフェミアは左手に白いユリ、右手はスザクと繋がっている。
「そうだよ。二人とも仲良くしてよ。」
白い服の姿のスザクも二人に言った。
スザクとユーフェミアは互いに目を合せて、ほほえんでいる。
仲睦まじき光景だ。お互いを信じて好いているのだろう。
「わかったよ。」
そう言い、改めてC.C.を見る。
彼女はそっぽを向いたままだが、仕方ない。
「C.C.、お前が必要だ。俺の手をとってほしい。」
少し間があいてから、ルルーシュの方に振り返る。
「ふん。わかったよ。」
そっと手を重ねた。
そんな光景を、スザクとユーフェミアは苦笑しながら見ている。
「ね?C.C.の黒ユリ、私のユリと交換しない?」
ユーフェミアが白いユリを差し出している。
「構わないが、黒ユリなんて不吉だぞ?お前にはそっちの方が似合う。」
ルルーシュと手をとり合ったままC.C.が言った。
「ううん。いいの。私はこっちで。」
ユーフェミアはニッコリ笑いながら、C.C.が持っている黒ユリと
自分が持っている白いユリと交換した。
そしてC.C.を見て、再びほほえんだ。
「ほら!やっぱりC.C.には白いユリが似合うわ。
それに、私にはスザクがいるもの。不吉なんて恐くないわ。ね、スザク?」
「もちろんだよ。ユフィ。」
しっかりした声で返事をし、優しくユーフェミアをみつめるスザク。
「しかし!」
C.C.が口をひらこうとするが、ルルーシュが制止させた。
「C.C.、そっちの方が似合う。ユフィありがとう。」
「いえ、いいんですよ。」
ユーフェミアはうれしそうに答えた。
C.C.はルルーシュと手をつなげたまま、白いユリをじっと見ていた。
ルルーシュが見かねて言う。
「そんなに白いユリはめずらしいか?」
「いや。めずらしくはないさ。」
まぶたを閉じて、C.C.は花のにおいを楽しんでいる。
「そんな風には見えないがな。」
ルルーシュは少し微笑みながら、C.C.に言った。
「ふん。お前がそこまで言うなら、そうかもしれない。」
ふいにC.C.と目があう。
やっぱり、彼女には白が似合うと改めて思った。
本人も気に入っているようだし・・・。
「あとで水切りをするから、あんなり握りしめるなよ。」
その日から、数日間。
殺風景なルルーシュの部屋には一輪のユリが飾られた。
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おわりです。
突然思いつきで書いたんですが・・・。
んー、いまいちです。
ユフィのまっすぐな優しさが好きです。