「また会長が勝手に企画をたてたのか・・・」
クラブハウスへ行く途中の廊下でルルーシュは頭を抱えていた。
下手をすれば、今日やった予算組みは再度検討になるからだ。
というか、そうなる可能性は明らかに高かった。

「きっと予算組みはやり直しね・・・。」
カレンも同じことを考えていたらしい。
「そうかもしれませんが、ミレイさんの企画は楽しいです。
生徒のみなさんからも評判がいいみたいですよ?」
ナナリーは、頭をかかえている二人に話しかけた。
「そうかもしれないけど、毎回予算案をやらされる身にもなってほしいわ・・・。」
カレンがぼやく。ルルーシュもその意見と全く同じだった。
そんな二人にクスリと笑うナナリー。
結局なんだかんだ言っても、二人とも最後まで生徒会の仕事はきっちりやるからだ。

「ところでC.C.さん、手の怪我は大丈夫ですか?」
ナナリーから労わりの声が届く。
「ああ、問題ないぞ。もう痛くないからな。」
C.C.は歩きながら手をひらひら振って見せる。
まぁ、そうやってもナナリーにはわからないが。
「そうですか。心配していたので良かったです。」
ほっとしたのも束の間で、ルルーシュが会話に入ってきた。
「ああ、そのことなんだが。C.C.は病院へ連れて行こうと思っている。
学校がこんな状態だろ。手元が暗くて、ちょっとした応急処置しかできなかったし。」
ルルーシュの言っていることは最もだった。
暗くて怪我の状態もはっきりわからない。停電は明日まで続く状況。
怪我をした本人は、怪我をしたという自覚があるのかどうか・・・。
「お兄さま、C.C.さんの怪我の具合はどうなんですか?」
「火傷をしてからすぐ冷やせばこんなに悪化しなかったが。
一度ちゃんとした医者に診てもらった方がいいと思う。」
ルルーシュは淡々と言う。
「病院?・・・私は行きたくない。怪我だって、そうのち治る。」
「よくわからない根拠だ。なぜそう思うんだ?今までとは違うんだぞ。
とにかくお前は病院へいけ。俺もついていくから。」
ルルーシュはなだめすかしたように言う。
彼女が病院嫌いというのは前から知っていた。
実験された記憶があるからなのか、あるいは別なのか
理由はわからなかったが、今回はやむを得ない。
「C.C.、病院へ行った方がいいわ。」
カレンはルルーシュの言葉に納得したように言った。
「そうですよ。C.C.さん、行ってきてください。」
ナナリーは心配そうに言った。
そんな二人の言葉に押されたのか、
「わかったよ。」と一言だけ小さく返事をした。

そんなやりとりの中、シャーリーは独り考えこんでいた。
ルルとC.C.のこと。
なんていうか、二人はお互いをわかりあっている。
お世辞や遠まわしの言い方ではなく、まっすぐ相手に言葉を言い合える仲。
はっきり、自分とルルーシュの関係はそこまでいっていなかった。
ずっと片思いだった人は、実は相性ぴったりな女の子がいた。

それも自分以外の・・・。

ずっと想い続けていたのに、好きなのに。
ルルとC.C.の関係を見ていると、この気持ちをどこに向けていいのかわからなくなる。

そんなことを考えていたら無償に悲しくなってきて、
ルルが遠い存在になってしまいそうな気さえした。

ちゃんと聞かなきゃ・・・。

シャーリーは心の中で決意した。


--------------------------------------------------------------------------------

何気なく久しぶりの更新でしたね。
楽しんでもらえたらうれしいです。
次で最後と言っておきながら、続きそうですね、こりゃ。