窓ガラスに水滴があたる。
せっかくの休日なのに今朝からずっと雨が降り続いているのだ。
(ルルーシュめ。私の食料を勝手に食べるとは!後悔させてやる。)
水滴模様の窓ガラス。
(つまらん・・・)
外を見れば、雨のせいなのか人通りは全くなかった。
「やることもないしな。腹いせがてら、外出でもするか」
服を着替えて外に出ると、小雨が降っていた。
(このくらいの雨で傘をさすのは面倒だな)
C.C.は独り、行くあてもなくぶらりと出て行った。
***
「おい!C.C.!」
返事はなく、自分の声だけが部屋に響く。
クラブハウスの自室、キッチン、シャワー室、もしやと思ってナナリーの部屋。
どこを探しても彼女はいなかった。
「お兄様?もしかして何か探し物?」
とナナリーにズバリ言い当てられてしまう。
(あいつ、一体どこに行ったんだ?だいたいピザを勝手に食べたくらいで・・・)
クラブハウスにいないこいうことは、勝手に外出したということ。
(まったく、勝手に出て行って。探しに行くべきか・・・。)
外を見ると小雨だった雨は、今では土砂降りになっていた。
***
雨は相変わらず降っていたが、久しぶりの外の空気。
少し歩いたら気分もすっきりした。
いつも煩いやつがいるから、なかなか外に出れないからな。
「腹も減ってきたし、帰るか。」
くるりと踵を返す。
雨はだんだん強くなってきたがC.C.は全く気にしていない様子だ。
いつものペースで歩いている。
雨のせいで長い髪や服が水分を含んでいく。
灰色の空を見上げ、空に語りかける。
「ま、たまには雨に打たれるのもいいだろう」
「いいや、よくない。」
背後に黒い傘、聞き覚えのある声。
「なんだ、いたのか?」
「迎えにきてやったのに、その態度はないだろう?」
ほら、と傘を差し出す。
「私が雨なんかを気にすると思ったか?それともお前が私を気にしているのか?」
C.C.は傘を受け取らない。
雨が彼女を濡らしていく。髪から水滴が落ちていた。
そんな姿でさえ、神秘的で美しいと思ってしまった自分がいやになる。
「俺はお前のことなんか気にしていない。せっかく買った服を気にしてるんだ。」
そう言い、傘をもつ手を伸ばしC.C.を傘の中に入れた。
「ひどい男だな。私よりも服を気にするなんて。」
「勝手に出て行くお前が悪い。帰るぞ?」
C.C.は傘を差そうとしないので、このまま一緒の傘で帰ることになった。
並んで道を歩く。
「言っておくが私は悪くないぞ?私の食料を勝手に食べたルルーシュが悪いんだ。」
「ほう?ではその金を誰が払っていると思っているんだ?」
「それとこれは話が別だ。私が言っているのは勝手に食べたことを言っている。」
「そんな勝手なことばかり言うと、ピザはなしだ。 うちからの注文はすべて、いたずらと言ってもいいんだぞ?」
「まったく。心の狭い男だ。」
「なにをっ」
雨の中、ひとつの傘に二人。雨はまだやまない。
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ああ、今から年賀状を作成します。
12月はほんとに師走ですね。やることがたくさんです。