いつも通りに私は過ごしていたんだ。
扉の前が妙に騒がしくて、聞き耳を立てていたら
ルルーシュの奴、生徒会メンバーを連れてきてるじゃないか。
この私が自らベッドの下にもぐりこんだんだぞ?
せっかく隠れてやったというのに。
なのに。

C.C.は見つかってしまったのだった。

ルルーシュベッドの下からでてきた拘束衣姿の少女に、一同の目は釘付けだ。
部屋の中の時間が止まったかのように静かだ。
「まぁ!C.C.さん。お部屋にいらしたんですね。お久しぶりです。」
ナナリーだけは穏やかだ。
「ああ、久しぶりだな。ナナリー。元気そうで何よりだ。」
二人は平然と会話をしているが、周りはこの状況についてきていない。
ルルーシュは凍りついたように固まっている。
ナナリーは周囲をぐるりと、見渡すように話しはじめた。
「えーと・・・みなさん、ご紹介します。こちらはC.C.さんです。」
この声で、周囲の止まっていた時間がやっと流れはじめた。
独りを除いて。

「ちょっと!!ルル!どういうことよ!?」シャーリーは怒っている。
「君、もしかして毒ガスの・・・?」スザクは驚いている。
「ルルーシュってそういう趣味だったんだ・・・」リヴァルは唖然だ。
「ま、そういう年頃だものね。仕方ないわ。」ミレイは納得している。
「すごい服・・・」ニーナは拘束衣に興味を示している。
「ありえないわ・・・」カレンは冷ややかである。
「ねぇ!ルル聞いてるの!?何で女の子がベッドの下からでてくるのよ!?」
「僕のこと覚えてる?てっきりあのとき・・・」
「まさか、ルルーシュが監禁拘束してないよね?」
「以外だわ。そーいうプレイが好きだったなんて。」
みな、口々に思ったことをルルーシュに向けて言っているのだが
肝心の本人はだんまりだ。


ばれてしまった。見つかってしまった。
C.C.の存在を。
しかもあいつは拘束衣。最悪の状況だ。
なんて説明したらいいんだ?
友達?いや無理だろ。
家庭教師?拘束衣でか?
メイド?ある意味誤解される。
新しい家族?ありえない!!

しかし・・・・!!
ルルーシュは決心したのだった。


ルルーシュはC.C.の横まで歩いていき、C.C.の肩に手を置き、自分にひきよせる。
「みんな、すまない。黙っておくつもりはなかったんだ。」
表情は勤めて笑顔で、声も明るい。
一瞬C.C.とアイコンタクトをする。オレに合わせろ。と。
「彼女は・・・、」

「だめーー!!そんなの絶対駄目なんだから!」
シャーリーが横から声をはりあげる。
「っていうか、オレには彼女がいるって教えてくれても・・・」
リヴァルは嘆きはじめた。
「だいじょうぶ!僕も知らなかったから」
その嘆きに天然で返すスザク。
「こんな時に天然でかえすなよー」
「ルルのバカー!」
「はいはい、つらいわよねぇ」ミレイはシャーリーを慰めている。

C.C.を紹介しようとしたが、皆が勝手に話しだしているので
会話になりそうにない。
「お兄様?」ナナリーが心配そうな顔だ。
「さ、ナナリー。いこう。」
C.C.の手をひき、ナナリーの車イスをひいて
自分の部屋から退場するルルーシュ。

そして、ルルーシュたちがいなくなったのに気付いたのは数分後のことだった。


部屋に誰も残っていないと確認して、クラブハウスに戻ってきた。
部屋に明かりが灯る。今日はさんざんだった。
ナナリーは今ごろ自室で休んでいるだろう。
「お兄様、教えてくださいませんか?C.C.さんとお兄様はやはり・・・。」
「すまない。今は答えられないんだ。でもきっと話そう。約束する。」
最愛の妹と最後に交わした言葉をふいに思い出す。

「言っておくが私は悪くないからな。」
共犯者の声で現実に戻った。C.C.はベッドの上で寝そべっている。
「いや、お前の責任もある。」
生徒会メンバーがくるきっかけになった言葉。
将来を約束した関係、という言葉をナナリーの前で発したのは他ならぬC.C.だからな。
「お前、明日からあいつらになんて説明するんだ?」
「そのことなら、問題ない。いい考えがある。」
にやりとルルーシュが笑った。
「そうか。」
天井を見上げていたC.C.がルルーシュの方を向く。
お互いの瞳が絡み合う。
「私はお前の恋人なんてごめんだからな。」とC.C.
「オレだってごめんだ」とルルーシュ。

二人は恋人同士ではないが、お互いを必要としている。
そして今日も同じベッドで眠るのだった。

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ユウさん、ヴィットさん、リクエストありがとうございました。
アフタヌーンティはこれでおわりです。
これで良かったのか不安ですが・・・。
少しでも気に入ってくれた部分があったらうれしいです。
またリクエストくださいね。お待ちしております。